資金繰りに困らないために理解しておきたい在庫の考え方


商品や製品を販売するような事業の場合、よく気を配らなければいけないことは在庫です。
在庫の考え方を正しく理解していないと資金繰りは悪くなり、また税金にも影響します。

在庫は商品や製品を仕入れたもののうち、売上に対応しないものとして把握します。
対応する売上が未だないということなので、在庫に対応するお金も回収できていない状態です。
仕入⇒売上⇒次の仕入と仕入と売上を繰り替えすことで会社のお金を増やすのですが、在庫の状態が続くと次の仕入れができません。
すると当然資金は行き詰ることとなります。


また、利益の額にも影響します。
たとえば、経営努力の結果、期中はおかげさまで利益がたくさん出ました。
このままでは税金がたくさんかかりそうなので、期末に商品をたくさん仕入れて税金を抑えようとする方がおられます。
ところが、会計の考え方ではたとえたくさんの仕入をしたとしても、それが売上につながらない限り、仕入として見られません。


この在庫を把握していないまたは計上していない経営者の方は多くおられます。


その理由には、「仕入の額も、売上の額も毎月かわらないので、在庫の量も変わりないだろう」と思っておられることや、「毎月のたな卸しの作業が大変」、「決算のときの把握しておけば十分」などがあげられます。


確かに在庫の把握の作業は大変かもしれません。ですが、在庫の量を把握しておくことは非常に大切です。


その理由には二つあります。
一つは資金繰りのため。在庫になる仕入は先払いとなります。
在庫が増えるということはその分、資金繰りを圧迫させます。

もう一つは利益率・原価率の把握です。


経営者は、経営する上で利益率・原価率に敏感であるべきです。
自社の商品がいくらで売るべきか?いくらで売らないと儲けが出ないか?
それだけでなく、商品を売るのにいくらかかったのか?以前とくらべてその数値は適正か?
もっと原価を下げるようなことはないか?
そのようなことを考える上で、在庫の金額は数値に大きく影響します。
そのためにも常々在庫の金額は把握すべきです。

在庫の削減方法のポイント

無駄な在庫は資金繰りを圧迫することになります。
その削減のポイントを解説します。

まずは自社の在庫の回転率を把握する。
在庫の回転率は 売上原価 / 棚卸資産 で把握出来ます。

この数値が大きければ大きいほど仕入⇒売上⇒仕入のサイクルが多いことをしめします。
つまり、お金が回っていることをあらわします。
会社の売上全体の回転率を把握するほかに、商品グループや、商品ごと、事業ごととに分析範囲を変えたり、期間の比較をすることで、特徴や傾向をつかみます。


また、製造業の場合、不良品について注意しなければなりません。
製造工程で出た不良品にも発生するコストがかかります。
不良品は売ることができませんので、不良品を作るのにかかったコストは完成品で回収するしかありません。
不良品の発生を抑えることで完成品のコストが下げられるというわけです。


次に、必要な量を仕入れる。ということも重要です。
材料、商品だけでなく、消耗品や販促の出費についても考えなければなりません。
無駄な在庫はお金を捨てているのと同じです。
多く仕入れたから安い単価で買えたという場合でも、必要以上に買うことは無駄を作ることにつながります。
多少割高であったとしても、必要な量だけを仕入れるほうがコストは低く済むこともあります。


在庫の考え方を正しく身につけ、資金繰りに困らない会社を目指しましょう。


コンサルティング事業部第1課

掛上健司