共済制度を賢く使いましょう。

経営者は老後や将来の不安に対し自分で対策をしなければなりません。経営者ご自身だけでなく、ご家族や従業員を守らなければなりません。


今回は、国や地方公共団体、生活協同組合、商工会議所などが運営する相互扶助制度、共済制度をご紹介します


共済制度のメリットは何と言っても安い掛金で最小限の退職金や保障の準備が出来るという事です。起業・会社を設立したばかりの企業・経営者はどうしても資金に余裕が無いということがほとんどです。とはいっても、様々なリスクから会社や個人を守るために保障は必要です。公的な制度をうまく活用して、リスクやお悩みを解決していきましょう。


以下では、経営者のお悩みごとに利用できる共済制度を取り上げて、その特徴を解説します。


1)病気やけがによる入院、もしもの時に備えたい。

入院や死亡に対しては、地方公共団体、生活協同組合が行っている共済制度があります。
月額の掛金が1,000円程度からで加入でき、入院の場合、一日あたりの給付があり、死亡保障が出来ます。保険料が割安な反面、保障額も低くなるため、保障が足りない場合には民間の生命保険等を組み合わせる事も検討しましょう。


2)経営者も退職金が欲しい。

会社を設立したばかりの経営者に退職金の話をすると違和感があるかもしれません。
たとえば、サラリーマンの場合、退職金は勤めている会社が決めます。サラリーマンである以上、会社が決めたルールどおりに支払われます。では、経営者の場合はどうでしょうか?経営者は、自分の退職金を自分で決めるしかありません。そこで考えられる共済は小規模企業共済です。掛金は1,000円から70,000円までで選択でき、掛けた期間に応じて退職金の原資とすることが出来ます。

また、小規模企業共済には税務上のメリットもあります。
それは年間支払った掛金の全額を社会保険料控除として個人の所得から差引く事が出来ます。つまり所得税・住民税を抑える事が出来ます。

一方で注意点としては、掛金納付月数が、240ヶ月(20年)未満の場合、解約手当金は、掛金合計額を下回ります。


3)従業員の退職に備えたい

中小企業の場合、従業員に退職金を渡す際、本来はもっと多く退職金を渡したい(従業員としては貰いたい)のに、直近の経営成績や資金繰りが良くなく、渡したい金額を渡せなくなるような事が起きたりします。
 
そんな時、中小企業退職金共済を考えましょう。事業主が中退共と退職金共済契約を結び、毎月の掛金を金融機関に納付します。従業員が退職したとき、その従業員に中退共から退職金が直接支払われます。中退共制度の掛金は、法人企業の場合は全額損金として扱われます。
 
掛金月額は、従業員ごとに選択でき、掛金月額はいつでも変更できることや、新規加入や掛金の増額については国からの助成があるため、加入がしやすくなっています。会社を設立したばかりであっても、従業員の方の退職金の準備として加入することも検討しましょう。


 4)資金繰りの選択肢を増やしたい。

特定の取引先のみに得意先を集中していて、その得意先の経営が上手くいかなくなった時にその影響を受けるという事が中小企業では良く起こります。会社を設立したばかりだとなおさらです。経営者は、そのような事が起こっても会社の資金繰りに困らない様に手を打っておくことが必要です。
 
「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)」に加入しておくと、取引先が倒産した時に、当面の資金繰りに役立てることができる制度です。もしもの事態になったとき、掛金の10倍の範囲内で(最高8,000万円)で回収困難な売掛金債権等の額以内の融資を受けることができます。 加入の要件をみたせば、毎月5,000円から20万円の掛金が全額損金または必要経費となり、かつ、取引先が倒産した場合、回収が困難になった額と掛金総額の10倍までの金額のいずれか少ない額(8,000万円程度)が無担保・無保証人・無利子で借入れ出来ます。また、40か月以上の納付期間があれば掛金が全額戻ってきます。(中小機構HPより引用)



今回は4種類の共済を取り上げました。
いずれも手ごろな掛金から加入できますので、賢く使い、将来の不安に備えましょう。


コンサルティング事業部
第1課 掛上 健司