派遣社員の時間外労働

派遣社員の時間外労働

 


近年、派遣社員を受け入れている企業が多くありますが、派遣社員の活用においては様々な注意点が存在します。そこで今回は、派遣社員の時間外労働の取扱いについて取り上げてみましょう。
そもそも労働者派遣は、派遣先と派遣元とが労働者派遣契約を締結することによって成立し、派遣先が派遣社員に対して直接指揮命令を行い、業務に従事させることができます。そのため時間外労働命令についても、派遣先の業務状況の必要に応じて、派遣先が派遣社員に直接、時間外労働を命令することができます。このように派遣先が時間外労働を命ずるためには、次の3点の前提が満たされることが必要とされています。


1)派遣元と派遣社員との雇用契約において時間外労働の有無などが明示されていること


2)派遣元の就業規則に時間外労働を命ずることがある旨の根拠が定めてあること


3)派遣先と派遣元との派遣契約において、派遣社員の就業条件として時間外労働を命じる時間の条件を定めておくこと

もちろん実際に時間外労働させる場合は、1)の雇用契約と3)の派遣契約に定められた範囲内で行う必要があります。


また、派遣社員に時間外労働を行わせる場合、時間外・休日労働協定(いわゆる36協定)については、通常派遣元で締結することになっていますが、派遣元で36協定を締結していないまま時間外労働をさせていた場合、あるいはその協定の範囲を超えて時間外労働をさせていた場合は、派遣先についても罰則が適用されることになっています(労働者派遣法第44条第2項)。
そのため、派遣先については、派遣元で36協定の締結・届出がきちんとなされているのかを確認し、かつ、その内容に関する情報提供を求めるなど派遣元と連携をとっていくことが求められます。


コンサルティング事業部 第1課 覚野 奈緒美